軌道計算プログラムの開発で一番大変だったのは、やはり計算途中での正しい数値がわからなかったことです。電卓で計算してみて確認できるような計算量じゃないので、どの時点で数値がおかしくなっているのかさっぱりわからなかったのです。異常な数値が出るとそこから逆方向にとんでもない複雑な計算式をたどりながら、勘を働かせます。
集中して考え、数日間も原因がわからないと、「プログラムが間違ってるんじゃない。自然界の統一法則が間違っているんだ」と本気で思うようになります(笑)。あらゆる角度から原因を追求するのですが、完全に行き詰まって、これ以上原因究明の材料が出ないというところまで何度も追い詰められました。「もうここまでが能力の限界か….」と何度もあきらめるしかない状況になりました。
今回のアテネオリンピックでも日本選手が大活躍しました。最後の1秒で大逆転してメダルを取った柔道選手。タッチの差でメダルを取った水泳選手。最終ラウンドの最終得点まで争って勝利した卓球の選手。延長の末、最終の1矢でメダルを獲得したアーチェリーの選手。感動を与えた選手に共通しているものは、練習と試合を通じて「最後の瞬間まで絶対にあきらめなかった」ということです。
『あきらめなければいつかは願いはかなう』。軌道計算プログラムを公開できた今、実感しています。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.